ひとりのじかん

ひとりのじかんを楽しく大切にして

かこ

 

先日大雨の日、いつものようにだらだらとみちくさと過ごしていた午後、新婚時代から仲良くしてもらっていた友人から、電話がきた

久しぶりの声に楽しく会話が弾む

外出自粛中、彼女は地元のあちこちの史跡を巡っていたとのこと

小さな史跡ながら、歴史を感じたといい、有意義な時間だったようだ

わたしも、詳しくはないが史跡を巡るのは楽しい

今ここに立っている場所で、昔も人が何事かしていたってだけで、感慨深く思うのだ

ただの道路や痕跡が、意味をもって浮かびあがってくる

 

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歳をとるとどうして自然だとか歴史だとかが好きになるんだろうって友人に問うと、

「もう未来がないからじゃない?過去に美しいものを求めるのよ」

という

確かに若い頃は、次の自分を妄想して奮起して未来を明るくしていた

足元のちいさな花より、遠い未来を見ていた

今は、今この時を大切に思うことが多く、あまり先々を考えなくなってきた

大成をなすことより、明日の楽しみを思うことばかりだ

人の顔も昔はただ人の顔を見ていただけだったが、

歳をとると、一見ただのおばさんだなって眺めていても、人生観やいろんな話を聞いているうちにその人の顔に深みが出て、不思議と立体感を持って美しく見えてくる

史跡や痕跡と同じだ

 

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私たちは時間の経過を美しく感じることができる

使い込んだテーブルや、洋服などそこに時間の蓄積を見て、思いを寄せるのだろう

それが歳をとるとよく感じるようになるんだ

 

そんなわけでわたしも顔や手や首すじにしわしわやシミが増えてるんですけど、紫外線照射を若さではね返していたつもりが、ここにきて痕跡として残っているのである