ひとりのじかん

ひとりのじかんを楽しく大切にして

ほたる

 

ホタルが飛びはじめた。

 

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夜の8時ごろ近所の方がうちのチャイムを鳴らして、呼んでくださった。「ホタル出てますよ」

お風呂上がりで寝巻きのまま、玄関を出る。わたしの家の前には小さな川が流れている。毎年この時期になると、ゲンジホタルが飛ぶのだ。

川面をほわ〜んほわ〜んと小さな光が揺れている。5〜6匹いそうだ。そういうと清流のようだが、特別きれいでもない、普通の川だ。小さな川魚やカワニナ、サワガニがいて、それを狙ってサギやたまにカワセミがやってくる。ホタルは上流に行けばもっとすごいが、寝巻きでフラフラするなら、この近所が限界かな。

わたしが住んでいる町は、ホタルの生育に力を注いでいて、地域や学校ぐるみで川の清掃を行っている。川辺の雑草を刈るのもホタルが産卵した後である。夏は、集中豪雨で濁流と化すのに、必ずホタルが飛ぶ。どうなっているんだろう。

 

f:id:hitori-jikan:20200512145616j:imageこんな川です

 

ホタルを見ていると、なんだか気持ちがゆっくりとする。本人たちは連れ合いを探して必死なんだろうけど、わたしはとても可愛くて、愛しい。たやすく手で捕まえて、指の間を行ったり来たりした後、ゆら〜と飛んでゆく。

 

f:id:hitori-jikan:20200513102556j:image元職場でもホタルが飛びお祭りをしていました その時作ったもの

 

この時期は子どもたちも夜に出てきて、みんなホタルを楽しむ。その静かなざわめきを聞いているのも好きだ。風のない湿り気のある、気温の高い夜しか光らず、オスの飛行はほんの2時間程度である。これからしばらく夕ご飯の後は、そぞろ歩きの時間になりそうだ。