友人から招待券をいただいたので、美術館へ「ショーン・タンの世界展」に行ってきた
美術展もかなり久しぶりだ
1974年オーストラリア生まれのショーン・タンは、現在47歳
絵本画家であり、イラストレーター、アニメ作家など多彩な才能の持ち主だ
彼の代表作は、「アライバル」 という なんだろう
絵本なようで、マンガのようで、物語のようでもある不思議な本だ
全て鉛筆の手書き、漫画のように簡単なコマ割りがある
セリフはないが、物語になっている
移民を素材にした話だが、緻密な描写の絵の中に不思議なものがたくさん登場してくる
地球上にはないもの
ショーン・タンは、移民が他国に入った時感じただろう感覚を表現したと言っている
私たちも旅行で外国に行った時に体験している
これまでの慣習や生活とは違うことを強要されるいわゆるカルチャーショックだ
それを、誰もが体験できるように、未知なものを入れ込んでいる
面白いな〜 一気に引き込まれた
彼は、2011年に「ロスト・シング(わすれもの)」というアニメーションも制作している
これも、秀逸だった
ダルマストーブのような、ヤドカリのような大きな赤い生き物がこの世界で迷子になっているのに、誰も気づかない
主人公はその赤い生き物が彼らしく生きていける世界を見つけて送り出していく
それだけのアニメなんだけど、その変な赤い大きな生き物がそんな図体なのに、不安そうな様子で切なくて、微笑ましいのだ
そして忙しい現代社会の中で、主人公はいるはずのロスト・シングを見つけられなくなっていく
緻密な風景の中に、漫画の要素を含んで違和感を感じさせない
わたしはすっかりショーン・タンのファンになってしまった